養殖真珠が生まれる前のパールはどんな宝石だった?

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福島県二本松市のリュクレ石沢です。
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さて、
今回は、

「養殖真珠が生まれる前のパールはどんな宝石だった?」

について書いていきます。

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天然真珠は自然が生み出した奇跡

養殖真珠が誕生する以前、天然真珠は自然が生み出した奇跡のような存在でした。どのようにして天然真珠が生まれるのか分からなかった古代の人々は、貝の中から生まれる天然真珠を月から生まれた雫のようだと感じ「月の涙」、童話の世界の人魚が流した涙から生まれたのではないかと想像し、「人魚の涙」と呼んで、その希少さをリスペクトしてきました。

天然真珠はたまたま貝の中に入った異物を包み込むように、貝が分泌する炭酸カルシウムが幾重にも異物に巻き重なっていくことにより、異物を核とした真珠が出来ます。異物は真円ではないので、出来た真珠はほとんどがバロックになります。貝の中から美しい真珠を見つけた人々の驚き、想像できますね。まさに天然真珠は自然が生み出した奇跡のような宝石でした。

権威の象徴である天然真珠

そのような希少な天然真珠ですから、手に入れ、身に着けることができるのは特別な階級の人々に限られました。

世界最古の天然真珠の産地はアラビア半島と言われています。古代メソポタミアの歴代の王朝は真珠を愛好し、当時の遺跡からはまとまった数の真珠が出土しています。オリエント文明のもうひとつの産地は南インド。美しい天然真珠は王朝に献上されていました。オリエントの真珠をヨーロッパの人々が知るきっかけとなったのは、紀元前330年代のアレキサンドリア大王の東征と東西の交流だったと言われています。古代ローマ帝国ではインドと交易をする中で美しい天然真珠が帝国にもたらされ、真珠は権威の象徴となりました。

 

歴史上で語り継がれる天然真珠の魅力

エジプト最後の女王、クレオパトラは歴史上もっとも大きな二つの真珠を持っていたとされます。クレオパトラはローマ帝国の将アントニウスの目の前で耳に着けていた世界最大の真珠のイヤリングをはずし、片方を酢の中に入れて溶かし、飲み干したといいます。当時の真珠は小さな国ひとつ分ほどの価値があったといいますから、クレオパトラの大胆な行いはアントニオの度肝を抜きました。

大航海時代、マルコ・ポーロは「東方見聞録」の中で、インドと日本で美しい真珠が取れることを記し、ヨーロッパの国々は東洋をめざしました。スペインのコロンブスはベネズエラに到達し、天然真珠を発見。ベネズエラはオリエントに変わる新たな真珠の産地となりました。ポルトガルのバスコ・ダ・ガマはインド、セイロン島に到達し、美しい真珠を採取したといいます。英国は1796年、セイロン島を植民地にし、19世紀半ばにはペルシア湾の制海権を手にし、支配するようになりました。当時、ペルシア湾は世界最大の真珠の産地でした。真珠は王の証として珍重され、ヨーロッパの王妃たちの胸元を飾る希少な宝石となりました。

スペインには「放浪者」、「ラ・ペルグリーナ」と呼ばれた有名なパールがあります。かつてスペイン皇室が所有し、独特の美しさを持つ天然パールだったといいます。驚異的な大きさ、重さ、光沢を持ち、その大きさと美しさは王のみが手にするものとされました。スペイン王室のクラウンジュエリー「ラ・ペルグリーナ」は放浪者の名を持つように、旅を続け、さまざまなストーリーを作っていったとされています。

 

養殖真珠の誕生

養殖真珠の歴史は日本の伊勢志摩から始まりました。三重県志摩地方で商いをしていた御木本幸吉氏が、視察旅行先の東京で天然真珠が高値で取り引きされているのを目にし、真珠の養殖を思い立ったとされています。御木本氏は東京帝国大学の箕作佳吉教授のアドバイスを受け、幾多の困難を乗り越えて1893年、5個の半円真珠の養殖に成功します。ここから日本の真珠養殖はスタートを切りました。

 

天然真珠と養殖真珠の違いって?

天然真珠は偶然による軌跡の産物といっていいですが、養殖真珠は自然の力を借りながら、惜しみない時間と手間をかけて人間が作り上げる宝石です。真珠の母貝となるアコヤ貝を確保し、稚貝から育成。成長したアコヤ貝に核を挿入する「挿核手術」を施しますが、これは日本人の手先の器用さがあってこそ生まれた技術と言えるデリケートな作業です。挿核手術を終えたアコヤ貝を特殊なかごに入れて養生させ、半年から2年ほど沖出しして、真珠を養殖します。その間もさまざまな手間暇をかけた作業は続けられます。このように大変な時間と作業の末に美しい養殖真珠が生まれるのです。天然真珠を身に着けることはなかなか叶いませんが、養殖真珠が誕生したおかげで、私たちも美しい真珠を身に着けることができるようになったのですね。

 

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