真珠の浜揚げとは?

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真珠

福島県二本松市のリュクレ石沢です。
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さて、
今回は、

「真珠の浜揚げとは?」

について書いていきます。

 

真珠の浜揚げってどんなことをするの?

大切に育ててきた真珠貝の中から真珠を取り出す作業を浜揚げと呼びます。時間を掛け、手を掛けて育ててきた苦労が報われる瞬間です。たくさんのアコヤ貝の入ったネットを海から引き揚げ、ネットから貝を外し、アコヤ貝を開け、真珠を取り出していきます。
冬の寒い時期は「化粧巻き」と呼ばれる最も美しい真珠層が生まれる時期とされ、この化粧巻きが真珠層の最も表に来るように、12月から1月ごろに浜揚げを行うことが多いと言われています。

 

浜揚げの歴史と日本の養殖技術

浜揚げの歴史はいつ頃から始まったのでしょうか。今でこそ養殖の真珠が当たり前になりましたが、かつて、真珠は海から生まれる神秘的な宝石とされ、謎に満ちていました。天然真珠はさまざまな国の神話や伝承に登場し、太古から人々を魅了し続けてきたのです。

日本でも古事記や日本書紀、万葉集などの文献に「しらたま」「まだま」などと呼ばれて登場しています。真珠は研磨やカットせずとも自然のままで完璧に美しい点が最大の魅力ですが、天然の真珠は大変貴重で、なぜ貝の中から真珠が出てくるのか、長い間謎とされてきました。そんな中、日本で真珠を作ることに成功しました。それが養殖真珠の始まりでした。
養殖真珠の歴史は日本の伊勢志摩から始まりました。三重県志摩地方で商いをしていた御木本幸吉氏が1878年、視察旅行先の東京で天然真珠が高値で取引されているのを目にし、真珠の養殖を思い立ったとされています。幾多の困難を乗り越えて1893年、5個の半円真珠の養殖に成功し、日本の真珠養殖が本格的にスタートします。1919年に御木本幸吉がヨーロッパの市場に出した真珠は養殖期間が3~5年、養殖された7ミリの真珠には4ミリの核が入り、1・5ミリの真珠層が巻いていたといわれています。惜しみない手間と時間をかけて、養殖真珠は完成するのです。

現在も時間と手間がかかることに変わりはありません。母貝となるアコヤ貝を確保し、育成しますが、稚貝の育成は海で行われます。育ったアコヤ貝に核を挿入しますが、この「挿核作業」は日本人の手の器用さから生まれたと言われるほど繊細でデリケートな技術が必要です。挿核手術の上手下手が、浜揚げ時の品質の差となって現れます。

挿核作業を終えたアコヤ貝は特殊なかごに入れ、陸付近の筏に吊り養生させた後、沖合の漁場に移動し、沖だしします。養生中に回復できなかった貝は死亡し、脱核してしまいます。
養殖期間は核のサイズや漁場によって異なりますが、一般的に半年から2年ほどです。この間も貝の掃除など海の上での仕事が行われ、最後に行われるのが浜揚げと呼ばれる真珠の採取です。日本の細やかな技術力と配慮、暑さ、寒さのある日本の四季の移ろいが日本の美しい養殖真珠を生み出しています。

 

真珠の浜揚げの時期はいつ?

養殖真珠は挿入された核の周りに何百、何千と真珠層を巻き付けることで美しい真珠になっていきますが、12月、1月の寒い時期に巻く真珠層はとりわけテリがあり、美しいと言われます。そこで最終層が最も美しい寒い時期に浜揚げすると、ひときわ美しい真珠を採取できます。最も寒い時期に浜揚げされた真珠が美しいと言われる所以です。

 

真珠の「越し物」「越し珠」って?

養殖真珠の中で、夏を二度越したものを「越し物」「越し珠」と呼びます。通常、真珠は1年間の養殖期間で真珠層を巻かせて育てます。通常の1年で浜揚げする真珠を「当年物(とうねんもの)」と呼びますが、「越し物」は長い年月をかけて、真珠層を巻かせていくので、巻きが厚くなります。真珠層が2000層以上巻くと、巻きの厚さが0・4ミリを超え、高品質となります。巻きの厚い真珠は経年劣化にも強く、美しさも長持ちします。また巻きが厚いと、研磨などのメンテナンスも可能になります。

長い年月を掛けて丹精し、手間暇をかけて育てたアコヤ貝から養殖真珠を取り出す浜揚げは、努力が報われる瞬間です。浜揚げされた養殖真珠の輝きは、日本が誇る養殖技術と努力が結集したものと言えるでしょう。

 

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